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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語268 第12帖 須磨2】紫の上は「どんなひどい所だって、ごいっしょでさえあれば私はいい」と言って、行きたい希望のこばまれるのを恨めしく思っていた。

💠🎼モノローグ written by Koke💠

いとわしく思った都も、

いよいよ遠くへ離れて行こうとする時になっては、

捨て去りがたい気のするものの多いことを源氏は感じていた。

その中でも若い夫人が、

近づく別れを日々に悲しんでいる様子の哀れさは

何にもまさっていたましかった。

この人とはどんなことがあっても

再会を遂げようという覚悟はあっても、

考えてみれば、

一日二日の外泊をしていても恋しさに堪えられなかったし、

女王もその間は同じように心細がっていたそんな間柄であるから、

幾年と期間の定まった別居でもなし、

無常の人世では、

仮の別れが永久の別れになるやも計られないのであると、

源氏は悲しくて、

そっといっしょに

伴って行こうという気持ちになることもあるのであるが、

そうした寂しい須磨のような所に、

海岸へ波の寄ってくるほかは、

人の来訪することもない住居《すまい》に、

この華麗な貴女《きじょ》と同棲していることは、

あまりに不似合いなことではあるし、

自身としても

妻のいたましさに苦しまねばならぬであろうと源氏は思って、

それはやめることにしたのを、夫人は、

「どんなひどい所だって、ごいっしょでさえあれば私はいい」

と言って、

行きたい希望のこばまれるのを恨めしく思っていた。

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

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