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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語663 第21帖 乙女18】大臣は、自分の恋人の部屋から廊下に出て行く時 女房達の部屋から話が聞こえた。そこで 雲居の雁と夕霧の恋に気がついてしまった。

大臣は帰って行くふうだけを見せて、

情人である女の部屋にはいっていたが、

そっとからだを細くして廊下を出て行く間に、

少年たちの恋を問題にして語る女房たちの部屋があった。

不思議に思って立ち止まって聞くと、

それは自身が批評されているのであった。

「賢がっていらっしゃっても甘いのが親ですね。

 とんだことが知らぬ間に起こっているのですがね。

 子を知るは親にしかずなどというのは嘘ですよ」

 などこそこそと言っていた。

情けない、自分の恐れていたことが事実になった。

打っちゃって置いたのではないが、

子供だから油断をしたのだ。

人生は悲しいものであると大臣は思った。

すべてを大臣は明らかに悟ったのであるが、

そっとそのまま出てしまった。

前駆がたてる人払いの声のぎょうさんなのに、

はじめて女房たちはこの時間までも

大臣がここに留まっていたことを知ったのである。

「殿様は今お帰りになるではありませんか。

 どこの隅《すみ》にはいっておいでになったのでしょう。

 あのお年になって浮気はおやめにならない方ね」

と女房らは言っていた。

内証話をしていた人たちは困っていた。

「あの時非常にいいにおいが

 私らのそばを通ったと思いましたがね、

 若君がお通りになるのだとばかり思っていましたよ。

 まあこわい、悪口がお耳にはいらなかったでしょうか。

 意地悪をなさらないとも限りませんね」

💐🎼凛 written by Fukagawa

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