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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語561 第18帖 松風25】別れ際、明石の上は悲しすぎて すぐに出ようとしない。いざって出てきても 姿は見せないように几帳のかげへ はいるようにしている様子に気品が見える。


 

姫君が手を前へ伸ばして、

立っている源氏のほうへ行こうとするのを見て、

源氏は膝《ひざ》をかがめてしまった。

「もの思いから解放される日のない私なのだね、

 しばらくでも別れているのは苦しい。

 奥さんはどこにいるの、

 なぜここへ来て別れを惜しんでくれないのだろう、

 せめて人心地《ひとごこち》が

 出てくるかもしれないのに」

と言うと、

乳母は笑いながら明石の所へ行ってそのとおりを言った。

女は逢った喜びが二日で尽きて、

別れの時の来た悲しみに心を乱していて、

呼ばれてもすぐに出ようとしないのを

源氏は心のうちで

あまりにも貴女《きじょ》ぶるのではないかと思っていた。

女房たちからも勧められて、

明石《あかし》はやっと膝行《いざ》って出て、

そして姿は見せないように几帳《きちょう》の蔭《かげ》へ

はいるようにしている様子に気品が見えて、

しかも柔らかい美しさのあるこの人は

内親王と言ってもよいほどに気高《けだか》く見えるのである。

源氏は几帳の垂《た》れ絹を横へ引いて

またこまやかにささやいた。

いよいよ出かける時に源氏が一度振り返って見ると、

冷静にしていた明石も、

この時は顔を出して見送っていた。

 🪷降りしきる、白(Tha long spell of falling down,white)by 蒲鉾さちこ🪷

 

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