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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-07-04から1日間の記事一覧

【源氏物語 288 第12帖 須磨 22】出立の前夜に源氏は院のお墓へ謁するために北山へ向かった。お居間の御簾《みす》の前に源氏の座が設けられて、宮御自身でお話しになるのであった。

枯れ葉 written by ハヤシユウ 出立の前夜に源氏は院のお墓へ謁するために北山へ向かった。 明け方にかけて月の出るころであったから、 それまでの時間に源氏は入道の宮へお暇乞いに伺候した。 お居間の御簾《みす》の前に源氏の座が設けられて、 宮御自身…

【源氏物語287 第12帖 須磨21】源氏は朧月夜の君に 手紙を送った。朧月夜の君は非常に悲しがった。流れて出る涙はとめどもなかった。

孤影 written by ハシマミ 源氏はまた途中の人目を気づかいながら 尚侍《ないしのかみ》の所へも別れの手紙を送った。 あなたから何とも言ってくださらないのも 道理なようには思えますが、 いよいよ京を去る時になってみますと、 悲しいと思われることも…

【源氏物語286 第12帖 須磨20】源氏は、関わった女性の生活が立ちゆくように 細やかな配慮をした。左大臣家の乳母や花散里にも同じようにした。

涙雨 written by ミルアージュ これまで東の対の女房として源氏に直接使われていた中の、 中務《なかつかさ》、中将などという源氏の愛人らは、 源氏の冷淡さに恨めしいところはあっても、 接近して暮らすことに幸福を認めて満足していた人たちで、 今後は…

【源氏物語285 第12帖 須磨19】源氏はいよいよ旅の用意をした。家のことは紫の上にたくし、少納言の乳母を上に家司達に管理上の事務を取らせることにした。

夕暮れ written by キュス 源氏はいよいよ旅の用意にかかった。 源氏に誠意を持って仕えて、 現在の権勢に媚びることを思わない人たちを選んで、 家司として留守中の事務を扱う者をまず上から下まで定めた。 随行するのは特にまたその中から選ばれた至誠の士…

【源氏物語284 第12帖 須磨18】月の光が花散里の袖の上に差している。女君の悲しがっている様子が哀れで、源氏の方が慰めてやらねばならなかった。

夜と静寂(The night and quiet) written by 蒲鉾さちこ 恋の初めから今日までのことを源氏が言い出して、 感傷的な話の尽きないのであるが、 鶏ももうたびたび鳴いた。 源氏はやはり世間をはばかって、 ここからも早暁に出て行かねばならないのである。 月が…

【源氏物語283 第12帖 須磨17】しめやかの月の光の中を源氏が歩いてきた。二人は並んで月を眺めながら明け方まで語っていた。

月夜に光る written by すもち 西座敷にいる姫君は、 出発の前二日になっては もう源氏の来訪は受けられないものと思って、 気をめいらせていたのであったが、 しめやかな月の光の中を、 源氏がこちらへ歩いて来たのを知って、 静かに膝行《いざ》って出た。…

【源氏物語282 第12帖 須磨16】花散里は心細がって、今度のことが決まって以来 始終手紙をよこす。源氏は花散里の姉妹の屋敷を訪ねる。

花影 written by Fukagawa 花散里《はなちるさと》が心細がって、 今度のことが決まって以来始終手紙をよこすのも、 源氏にはもっともなことと思われて、 あの人ももう一度逢いに行ってやらねば 恨めしく思うであろうという気がして、 今夜もまたそこへ行く…

【源氏物語281 第12帖 須磨15】帥の宮と中将が来てくれた。自分は無為の人間だからと無地の直衣にしたが、それが帰って美しかった。

落ちる葉、移りゆく秋の中で(Fallen leaves,Shifting of the autumn) written by蒲鉾さちこ 昼に近いころまで源氏は寝室にいたが、 そのうちに帥《そつ》の宮がおいでになり、 三位中将も来邸した。 面会をするために源氏は着がえをするのであったが、 「私…

【源氏物語280 第12帖 須磨14】源氏は、愛妻と一緒に配所に行くことは、迫害をする口実を与えるようなものだからと紫の上に言う。

切ない風に吹かれて…(Blowing in the nostalgic wind) written by蒲鉾さちこ 「私がいつまでも現状に置かれるのだったら、 どんなひどい侘び住居《ずまい》であってもあなたを迎えます。 今それを実行することは人聞きが穏やかでないから、 私は遠慮してしな…

【源氏物語279 第12帖 須磨13】紫の上の父の兵部卿の宮は、源氏の失脚後、皇太后派をはばかってよそよそしい態度をおとりになる。

悲哀の響き(Echo with sorrow) written by 蒲鉾さちこ 父の親王は初めからこの女王《にょおう》に、 手もとで育てておいでになる姫君ほどの深い愛を 持っておいでにならなかったし、 また現在では皇太后派をはばかって、 よそよそしい態度をおとりになり、 …

【源氏物語278 第12帖 須磨12】「貴方のことがこうなった以外のくやしいことなどは私にない」とだけ言っている夫人の様子に深い悲しみが見える。

届かない声 written by K’z Art Storage 西の対《たい》へ行くと、 格子《こうし》を宵のままおろさせないで、 物思いをする夫人が夜通し起きていたあとであったから、 縁側の所々に寝ていた童女などが、 この時刻にやっと皆起き出して、 夜の姿のままで往…