【寂蓮法師】(87番)新古今集 秋・491
村雨(むらさめ)の 露もまだひぬ 槇(まき)の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ🍁
〜にわか雨のしずくが、まだ乾かずに とどまって輝いている槙(まき)の葉に、
霧が谷間から涌き上がってくる 秋の夕暮れの光景よ🌇
💠 寂蓮法師 💠 じゃくれんほうし (1139~1202)
俗名は藤原定長(さだなが)
藤原俊成(としなり)の弟・阿闍梨俊海(あじゃりしゅんかい)の息子
俊成の養子。 30歳過ぎに出家した。
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「私もばか者の話を一つしよう」中将は前置きをして語り出した。
「私がひそかに情人にした女というのは、見捨てずに置かれる程度のものでね、長い関係になろうとも思わずにかかった人だったのですが、
馴《な》れていくとよい所ができて心が惹《ひ》かれていった。
たまにしか行かないのだけれど、とにかく女も私を信頼するようになった。
愛しておれば恨めしさの起こるわけのこちらの態度だがと、自分のことだけれど気のとがめる時があっても、その女は何も言わない。
久しく間を置いて逢《あ》っても始終来る人といるようにするので、気の毒で、私も将来のことでいろんな約束をした。