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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-05-28から1日間の記事一覧

【源氏物語179 第九帖 葵52】美しく成長した紫の上を見て、実質的に結婚してもいい時期ではないかと思う源氏

そばへ寄って逢えなかった間の話など少ししてから、 「たくさん話はたまっていますから、 ゆっくりと聞かせてあげたいのだけれど、 私は今日まで忌《いみ》にこもっていた人なのだから、 気味が悪いでしょう。 あちらで休息することにしてまた来ましょう。 …

二条の院に戻った源氏【源氏物語178 第九帖 葵51】大人びた紫の上に、初恋の藤壺の宮の面影を重ねる。

二条の院はどの御殿もきれいに掃除ができていて、 男女が主人の帰りを待ちうけていた。 身分のある女房も今日は皆そろって出ていた。 華やかな服装をして きれいに装っているこの女房たちを見た瞬間に 源氏は、 気をめいらせはてた女房が肩を連ねていた、 左…

【源氏物語177 第九帖 葵50】源氏に中宮から 優しいお言葉を賜る。喪中の姿ですら源氏は美しい。

中宮も命婦《みょうぶ》を取り次ぎにしてお言葉があった。 「大きな打撃をお受けになったあなたですから、 時がたちましても なかなかお悲しみはゆるくなるようなこともないでしょう」 「人生の無常はもうこれまでに いろいろなことで教訓されて参った私でご…

【源氏物語176 第九帖 葵49】やつれた源氏を心配して、院はお居間でお食事をおさせになった。源氏は、院の御親心をもったいなく思った。

この夕方の家の中の光景は寒気がするほど悲しいものであった。 若い女房たちはあちらこちらにかたまって、 それはまた自身たちの悲しみを語り合っていた。 「殿様がおっしゃいますようにして、 若君にお仕えして、 私はそれを悲しい慰めにしようと思っていま…

【源氏物語175 第九帖 葵48】左大臣は、漢詩(長恨歌)鴛鴦瓦冷霜花重と書いたところの歌をみる。左大臣は声を惜しまず泣く。

亡き魂《たま》ぞ いとど悲しき 寝し床《とこ》の あくがれがたき 心ならひに と書いてある。 「鴛鴦瓦冷霜花重《ゑんあうかはらにひえてさうくわおもし》」 白居易 長恨歌より と書いた所にはこう書かれてある。 君なくて 塵《ちり》積もりぬる 床なつの 露…

【源氏物語174 第九帖 葵47】左大臣は亡き娘の部屋に入る。何ひとつ変わってはいないのにと 空虚なものに思われた。

「つまらない忖度《そんたく》をして 悲しがる女房たちですね。 ただ今のお言葉のように、 私はどんなことも 自分の信頼する妻は許してくれるものと 暢気《のんき》に思っておりまして、 わがままに外を遊びまわりまして 御無沙汰をするようなこともありまし…

【源氏物語173 第九帖 葵 46】若君がおられることもあり 源氏との縁は続くものの 左大臣は哀しく淋しく思って泣く。

「それではもうお出かけなさいませ。 時雨《しぐれ》があとからあとから 追っかけて来るようですから、 せめて暮れないうちにおいでになるがよい」 と大臣は勧めた。 源氏が座敷の中を見まわすと 几帳《きちょう》の後ろとか、 襖子《からかみ》の向こうとか…