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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語641 第20帖 朝顔23】紫の上の機嫌をとる。優しく妻の髪を直したりして源氏はいるのであったが、夫人はいよいよ顔を向こうへやってしまって何も言わない。


「女院がお崩《かく》れになってから、

 陛下が寂しそうにばかりしておいでになるのが心苦しいことだし、

 太政大臣が現在では欠けているのだから、

 政務は皆私が見なければならなくて、

 多忙なために家《うち》へ帰らない時の多いのを、

 あなたから言えば例のなかったことで、

 寂しく思うのももっともだけれど、

 ほんとうはもうあなたの不安がることは何もありませんよ。

 安心しておいでなさい。

 大人になったけれどまだ少女のように思いやりもできず、

 私を信じることもできない、可憐なばかりのあなたなのだろう」

などと言いながら、

優しく妻の髪を直したりして源氏はいるのであったが、

夫人はいよいよ顔を向こうへやってしまって何も言わない。

「若々しい我儘《わがまま》をあなたがするのも私のつけた癖なのだ」

歎息《たんそく》をして、

短い人生に愛する人からこんなにまで恨まれているのも

苦しいことであると源氏は思った。

「斎院との交際で何かあなたは疑っているのではないのですか。

 それはまったく恋愛などではないのですよ。

 自然わかってくるでしょうがね。

 昔からあの人はそんな気のないいっぷう変わった女性なのですよ。

 私の寂しい時などに手紙を書いてあげると、

 あちらはひまな方だから時々は返事をくださるのです。

 忠実に相手になってもくださらないと、

 そんなことをあなたにこぼすほどのことでもないから、

 いちいち話さないだけです。

 気がかりなことではないと思い直してください」

などと言って、

源氏は終日夫人をなだめ暮らした。

🪻🎼#静かな夜長に written by #蒲鉾さちこ

 

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