2024-03-14から1日間の記事一覧
いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。 はじめより我はと思ひ上がり給へる御方方、めざましきものに、おとしめそねみ給ふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、まして安から…
「お姉様の三の宮がおうらやましい。 あなたのお子さんを孫にしておられる御縁で 始終あなたにお逢いしておられるのだからね。 ここのお亡くなりになった宮様もその思召しだけがあって、 実現できなかったことで歎息《たんそく》を あそばしたことがよくある…
女王のお住まいになっているほうの庭を遠く見ると、 枯れ枯れになった花草もなお魅力を持つもののように思われて、 それを静かな気分でながめていられる麗人が直ちに想像され、 源氏は恋しかった。 逢いたい心のおさえられないままに、 「こちらへ伺いました…
また続けて、 「ますますきれいですね。 子供でいらっしった時にはじめてあなたを見て、 こんな人も生まれてくるものだろうかとびっくりしましたね。 それからもお目にかかるたびに あなたのきれいなのに驚いてばかりいましたよ。 今の陛下があなたによく似…