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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語580 第18帖 松風4】大堰の別荘の預かり人は、自身の物のようにしている田地などを回収されないかと危うがって、権利を主張する。

「もう長い間持ち主がおいでにならない別荘になって、

 ひどく荒れたものですから、

 私たちは下屋《しもや》のほうに住んでおりますが、

 しかし今年の春ごろから内大臣さんが

 近くへ御堂《みどう》の普請をお始めになりまして、

 あすこはもう人がたくさん来る所になっておりますよ、

 たいした御堂ができるのですから、

 工事に使われている人数だけでも

 どんなに大きいかしれません。

 静かなお住居《すまい》がよろしいのなら

 あすこはだめかもしれません」

 

「いや、それは構わないのだ。

 というのは内大臣家にも関係のあることで

 そこへ行こうとしているのだからね。

 家の中の設備などは追い追いこちらからさせるが、

 まず急いで大体の修繕のほうをさせてくれ」

と入道が言う。

 

「私の所有ではありませんが、

 持っていらっしゃる方もなかったものですから、

 一軒家のような所を長く私が守って来たのです。

 別荘についた田地なども荒れる一方でしたから、

 お亡くなりになりました民部大輔《みんぶだゆう》さんに

 お願いして、

 譲っていただくことにしましてそれだけの金は納めたのでした」

 

預かり人は自身の物のようにしている田地などを

回収されないかと危うがって、

権利を主張しておかねばというように、

鬚《ひげ》むしゃな醜い顔の鼻だけを赤くしながら

顎《あご》を上げて弁じ立てる。

 🪷Loneliness of the sea 🪷

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