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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語528 第15帖 蓬生28】惟光は荒れた屋敷に入ったが人の気配はない。帰ろうと思ったら月が差し、老女の咳が聞こえた。


惟光は邸の中へはいってあちらこちらと歩いて見て、

人のいる物音の聞こえる所があるかと捜したのであるが、

そんな物はない。

自分の想像どおりにだれもいない、

自分は往《ゆ》き返りにこの邸《やしき》は見るが、

人の住んでいる所とは思われなかったのだからと思って

惟光が足を返そうとする時に、

月が明るくさし出したので、

もう一度見ると、格子《こうし》を二間ほど上げて、

そこの御簾《みす》は人ありげに動いていた。

これが目にはいった刹那《せつな》は恐ろしい気さえしたが、

寄って行って声をかけると、

老人らしく咳《せき》を先に立てて答える女があった。

🪷お露 written by ゆうり🪷

 

🌷第15帖 蓬生(よもぎう)のあらすじはこちら↓

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