末摘花の君は物悩ましい初夏の日に、
その昼間うたた寝をした時の夢に父宮を見て、
さめてからも名残《なごり》の思いにとらわれて、
悲しみながら雨の洩《も》って濡れた廂《ひさし》の
室の端のほうを拭《ふ》かせたり
部屋の中を片づけさせたりなどして、
平生にも似ず歌を思ってみたのである。
亡《な》き人を恋ふる袂《たもと》のほどなきに
荒れたる軒の雫《しづく》さへ添ふ
こんなふうに、寂しさを書いていた時が、
源氏の車の止められた時であった。
🍃Wind of Travelers written by のる 🍃
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↓すみません、標題は 源氏物語527です。訂正いたします🙇
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