親しく出入りしていた者などがわずかに来て
葬式の用意に奔走するにすぎない六条邸であった。
侍臣を送ったあとで源氏自身も葬家へ来た。
斎宮に弔詞を取り次がせると、
「ただ今は何事も悲しみのためにわかりませんので」
と女別当《にょべっとう》を出してお言わせになった。
「私に御遺言をなすったこともありますから、
ただ今からは私を睦まじい者と
思召してくださいましたら幸せです」
と源氏は言ってから、
宮家の人々を呼び出していろいろすることを命じた。
非常に頼もしい態度であったから、
昔は多少恨めしがっていた一家の人々の感情も
解消されていくようである。
源氏のほうから葬儀員が送られ、
無数の使用人が来て
御息所の葬儀はきらやかに執行されたのであった。
🍂🎼秋の足音 written by のる 🍂
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