「大事な御遺言を私にしてくださいましたことをうれしく存じます。
院の皇女がたはたくさんいらっしゃるのですが、
私と親しくしてくださいます方はあまりないのですから、
斎宮を
院が御自身の皇女の列に思召されましたとおりに私も思いまして、
兄弟として睦《むつ》まじくいたしましょう。
それに私は
もう幾人もの子があってよい年ごろになっているのですから、
私の物足りなさを斎宮は補ってくださるでしょう」
などと言い置いて源氏は帰った。
それからは
源氏の見舞いの使いが以前よりもまた繁々《しげしげ》行った。
そうして七、八日ののちに御息所は死んだ。
無常の人生が悲しまれて、
心細くなった源氏は参内もせずに引きこもっていて、
御息所の葬儀についての指図《さしず》を下しなどしていた。
🍃🎼孤影 written by ハシマミ🍃
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