数ならで なにはのことも かひなきに
何みをつくし 思ひ初《そ》めけん
田蓑島《たみのじま》での
祓《はら》いの木綿《ゆう》につけて
この返事は源氏の所へ来たのである。
ちょうど日暮れになっていた。
夕方の満潮時で、
海べにいる鶴《つる》も鳴き声を立て合って
身にしむ気が多くすることから、
人目を遠慮していずに逢いに行きたいとさえ源氏は思った。
露けさの 昔に似たる旅衣《たびごろも》
田蓑《たみの》の 島の名には隠れず
と源氏は歌われるのであった。
🪻🎼静かな余韻(Quiet suggestiveness)by蒲鉾さちこ🪻
🪷澪標(みおつくし)のあらすじはこちらをご覧ください↓🪷
🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登録お願いします🪷