春になったが帝《みかど》に御悩《ごのう》があって
世間も静かでない。
当帝の御子は右大臣の女《むすめ》の
承香殿《じょうきょうでん》の女御《にょご》の腹に皇子があった。
それはやっとお二つの方であったから
当然東宮へ御位《みくらい》はお譲りになるのであるが、
朝廷の御後見をして政務を総括的に見る人物に
だれを決めてよいかと帝はお考えになった末、
源氏の君を不運の中に沈淪《ちんりん》させておいて、
起用しないことは国家の損失であると思召《おぼしめ》して、
太后が御反対になったにもかかわらず赦免の御沙汰《ごさた》が、
源氏へ下ることになった。
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