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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語271 第12帖 須磨5】源氏は左大臣家に行く。夕霧の若君は無邪気に源氏の膝の上に座っている。左大臣はすっかり悲しみ しおれていた。

🌿🎼追憶と哀しみ written by G-MIYA🌿

出発前二、三日のことである、

源氏はそっと左大臣家へ行った。

簡単な網代車《あじろぐるま》で、

女の乗っているようにして奥のほうへ寄っていることなども、

近侍者には悲しい夢のようにばかり思われた。

昔使っていた住居《すまい》のほうは

源氏の目に寂しく荒れているような気がした。

若君の乳母《めのと》たちとか、

昔の夫人の侍女で今も残っている人たちとかが、

源氏の来たのを珍しがって集まって来た。

今日の不幸な源氏を見て、

人生の認識のまだ十分できていない若い女房なども皆泣く。

かわいい顔をした若君がふざけながら走って来た。

「長く見ないでいても父を忘れないのだね」

と言って、

膝《ひざ》の上へ子をすわらせながらも源氏は悲しんでいた。

左大臣がこちらへ来て源氏に逢《あ》った。

 

「おひまな間に伺って、なんでもない昔の話ですが

 お目にかかってしたくてなりませんでしたものの、

 病気のために御奉公もしないで、官庁へ出ずにいて、

 私人としては暢気に人の交際もすると言われるようでは、

 それももうどうでもいいのですが、

 今の社会はそんなことででもなんらかの危害が加えられますから

 恐かったのでございます。

 あなたの御失脚を拝見して、私は長生きをしているから、

 こんな情けない世の中も見るのだと悲しいのでございます。

 末世です。

 天地をさかさまにしてもありうることでない現象でございます。 

 何もかも私はいやになってしまいました」

としおれながら言う大臣であった。

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

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