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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語643 第20帖 朝顔25】紫の上に、藤壺の中宮は、気高く柔らかく完全な貴女であったと話す。また朝顔の姫君については、敬意の払われる友人として手紙をかく交際相手という。


「昔 中宮がお庭に雪の山をお作らせになったことがある。

 だれもすることだけれど、

 その場合に非常にしっくりと合ったことをなさる方だった。

 どんな時にもあの方がおいでになったらと、

 残念に思われることが多い。

 私などに対して法《のり》を越えた御待遇はなさらなかったから、

 細かなことは拝見する機会もなかったが、

 さすがに尊敬している私を信用はしていてくだすった。

 私は何かのことがあると歌などを差し上げたが、

 文学的に見て優秀なお返事でないが、

 見識があるというよさはおありになって、

 お言いになることが皆深みのあるものだった。

 あれほど完全な貴女《きじょ》がほかにもあるとは思われない。

 柔らかに弱々しくいらっしゃって、

 気高い品のよさがあの方のものだったのですからね。

 しかしあなただけは血縁の近い女性だけあってあの方によく似ている。

 少しあなたは嫉妬《しっと》をする点だけが悪いかもしれないね。

 前斎院の性格はまたまったく変わっておいでになる。

 私の寂しい時に手紙などを書く交際相手で敬意の払われる、

 晴れがましい友人としては

 あの方だけがまだ残っておいでになると言っていいでしょう」

 と源氏が言った。

🪷🎼花の幻影 written by のる

 

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