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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語596 第19帖 薄雲27】源氏は二条の院の庭の桜を見ても、故院の花の宴の日のことが思われ、当時の藤壺の中宮が思われた。「今年ばかりは」(墨染めに咲け)と口ずさまれるのであった。


源氏は二条の院の庭の桜を見ても、

故院の花の宴の日のことが思われ、

当時の中宮《ちゅうぐう》が思われた。

「今年ばかりは」(墨染めに咲け)

と口ずさまれるのであった。

人が不審を起こすであろうことをはばかって、

念誦《ねんず》堂に引きこもって終日源氏は泣いていた。

はなやかに春の夕日がさして、

はるかな山の頂《いただき》の

立ち木の姿もあざやかに見える下を、

薄く流れて行く雲が鈍《にび》色であった。

何一つも源氏の心を惹《ひ》くものもないころであったが、

これだけは身に沁《し》んでながめられた。

入り日さす 峯にたなびく 薄雲は 

物思ふ袖《そで》に色やまがへる

これはだれも知らぬ源氏の歌である。

寡黙な揺り篭 written by 稿屋 隆

 

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