ずっと病気をしておいでになって、
三月には御重体にもおなりになったので、
行幸などもあった。
陛下の院にお別れになったころは御幼年で、
何事も深くはお感じにならなかったのであるが、
今度の御大病については
非常にお悲しみになるふうであったから、
女院もまたお悲しかった。
「今年はきっと私の死ぬ年ということを
知っていましたけれど、
初めはたいした病気でもございませんでしたから、
賢明に死を予感して言うらしく
他に見られるのもいかがと思いまして
功徳《くどく》のことのほうも
例年以上なことは遠慮してしませんでした。
参内いたしましてね、
故院《こいん》のお話なども
お聞かせしようなどとも思っているのでしたが、
普通の気分でいられる時が少のうございましたから、
お目にも長くかからないでおりました」
と弱々しいふうで女院は帝へ申された。
今年は三十七歳でおありになるのである。
しかしお年よりもずっとお若くお見えになって
まだ盛りの御容姿をお持ちあそばれるのであるから、
帝は惜しく悲しく思召《おぼしめ》された。
🪷The Tragedy Eater written by のる
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