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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語593 第19帖 薄雲24】源氏は、女院のお若かった日から今日までのことを思うと、恋は別にして考えても 惜しいお命が人間の力でどうなることとも思われないことで限りもなく悲しかった。

「院の御遺言をお守りくだすって、

 陛下の御後見をしてくださいますことで、

 今までどれほど感謝して参ったかしれませんが、

 あなたにお報いする機会がいつかあることと、

 のんきに思っておりましたことが、

 今日になりましてはまことに残念でなりません」

お言葉を源氏へお取り次がせになる女房へ仰せられるお声が

のかに聞こえてくるのである。

源氏はお言葉をいただいても

お返辞ができずに泣くばかりである。

見ている女房たちにはそれもまた悲しいことであった。

どうしてこんなに泣かれるのか、

気の弱さを顕わに見せることではないかと

人目が思われるのであるが、

それにもかかわらず涙が流れる。

女院のお若かった日から今日までのことを思うと、

恋は別にして考えても惜しいお命が人間の力で

どうなることとも思われないことで限りもなく悲しかった。

🪷🎼Farewell written by H.Lang 

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