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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語591 第19帖 薄雲22】藤壺の女院は 高貴の身に生まれ、后の位ににも上り 大きな幸福であった。ただ、冷泉帝が夢にも源氏との重い関係をご存じでないことだけをおいたわしく心残りの思った。


お厄年であることから、

はっきりとされない御容体の幾月も続くのをすら

帝は悲しんでおいでになりながら、

そのころにもっとよく御養生をさせ、

熱心に祈祷《きとう》をさせなかったかと

帝は悔やんでおいでになった。

近ごろになってお驚きになったように

急に御快癒《かいゆ》の法などを

行なわせておいでになるのである。

これまでは

お弱い方にまた御持病が出たというように解釈して

油断のあったことを源氏も深く歎《なげ》いていた。

尊貴な御身は御病母のもとにも

長くはおとどまりになることができずに

間もなくお帰りになるのであった。

悲しい日であった。

女院は御病苦のためにはかばかしく

ものもお言われになれないのである。

お心の中ではすぐれた高貴の身に生まれて、

人間の最上の光栄とする后《きさき》の位にも自分は上った。

不満足なことの多いようにも思ったが、

考えればだれの幸福よりも

大きな幸福のあった自分であるとも思召した。

帝が夢にも源氏との重い関係をご存じでないことだけを

女院はおいたわしくお思いになって、

これがこの世に心の残ることのような気があそばされた。

🪷百鬼夜行 written by のる

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