源氏は朝もおそく起きて、
ここから直接帰って行くつもりでいたが、
桂の院のほうへ高官がたくさん集まって来ていて、
この山荘へも殿上役人がおおぜいで迎えに来た。
源氏は装束をして、
「きまりの悪いことになったものだね、
あなたがたに見られてよい家《うち》でもないのに」
と言いながらいっしょに出ようとしたが、
心苦しく女を思って、
さりげなく紛らして立ち止まった戸口へ、
乳母《めのと》は姫君を抱いて出て来た。
源氏はかわいい様子で子供の頭を撫《な》でながら、
「見ないでいることは
堪えられない気のするのもにわかな愛情すぎるね。
どうすればいいだろう、遠いじゃないか、ここは」
と源氏が言うと、
「遠い田舎の幾年よりも、
こちらへ参ってたまさかしか
お迎えできないようなことになりましては、
だれも皆苦しゅうございましょう」
など乳母は言った。
🪷優しい日だまりと、静寂 (The calm and quiet sunny place) written by 蒲鉾さちこ 🪷
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