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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語469 第14帖 澪標43】源氏は淀川の七瀬に祓いの幣が建てられてある堀江を眺め「今はた同じ浪速なる」(身をつくしても逢はんとぞ思ふ)と我知らず口に出た。

こちらの派手な参詣ぶりに畏縮《いしゅく》して

明石の船が浪速のほうへ行ってしまったことも惟光が告げた。

その事実を少しも知らずにいたと

源氏は心で憐《あわれ》んでいた。

初めのことも今日のことも住吉の神が

二人を愛しての導きに違いないと思われて、

手紙を送って慰めてやりたい、

近づいてかえって悲しませたことであろうと思った。

 

住吉を立ってから源氏の一行は

海岸の風光を愛しながら浪速に出た。

そこでは祓いをすることになっていた。

淀川の七瀬に

祓いの幣が立てられてある堀江のほとりをながめて、

「今はた同じ浪速なる」

(身をつくしても逢はんとぞ思ふ)

と我知らず口に出た。

車の近くから惟光が口ずさみを聞いたのか、

その用があろうと

例のように懐中に用意していた柄の短い筆などを、

源氏の車の留められた際に提供した。

🍀元良親王(20番)『後選集』恋・961

わびぬれば 今はた同じ 難波(なには)なる

みをつくしても 逢はむとぞ思ふ🌊

 

これほど思い悩んでしまったのだから、今はどうなっても同じこと。

難波の海に差してある澪漂(みおつくし)ではないが、

この身を捨てても貴方にお会いしたいのだ。

 

元良親王(もとよししんのう。890~943)

陽成天皇の第一皇子。大和物語、今昔物語にも登場。

今昔物語には、

「いみじき好色にてありければ、世にある女の美麗なりと聞こゆるは、

 会ひたるにも未だ会はざるにも、常に文を遣るを以て業としける」

と書かれるほどでした。

宇多法皇の女御 藤原褒子(ほうし)との熱愛は有名。

🌊澪標のあらすじはこちら↓

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