荘厳だった大極殿《だいごくでん》の儀式に、
この世の人とも思われぬ美貌を御覧になった時から、
恋しく思召されたのであって、
帰京後に、
「院の御所へ来て、私の妹の宮などと同じようにして暮らしては」
と宮のことを、
故人の御息所へお申し込みになったこともあるのである。
御息所のほうでは院に寵姫《ちょうき》が幾人も侍している中へ、
後援者らしい者もなくて行くことはみじめであるし、
院が始終御病身であることも、
母の自分と同じ未亡人の悲しみをさせる結果になるかもしれぬと
院参を躊躇《ちゅうちょ》したものであったが、
今になってはましてだれが 宮のお世話をして
院の後宮へなどおはいりになることができようと
女房たちは思っているのである。
院のほうでは御熱心に今なおその仰せがある。
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