親たちは長い間祈ったことの
事実になろうとする時になったことを知りながら、
結婚をさせて源氏の愛の得られなかった時はどうだろうと、
悲惨な結果も想像されて、
どんなりっぱな方であっても、
その時は恨めしいことであろうし、
悲しいことでもあろう、
目に見ることもない仏とか神とかいうものにばかり信頼していたが、
それは源氏の心持ちも娘の運命も
考えに入れずにしていたことであったなどと、
今になって二の足が踏まれ、
それについてする煩悶《はんもん》もはなはだしかった。
🌊🎼波の時刻 written by 藍舟🌊
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