長い間 噂《うわさ》だけを聞いていて、
いつの日にそうした方を
隙見《すきみ》することができるだろうと、
はるかなことに思っていた方が
思いがけなくこの土地へおいでになって、
隙見ではあったがお顔を見ることができたし、
有名な琴の音を聞くこともかない、
日常の御様子も詳しく聞くことができている、
その上自分へお心をお語りになるような手紙も来る。
もうこれ以上を自分は望みたくない。
こんな田舎に生まれた娘にこれだけの幸いのあったのは
確かに果報のあった自分と思わなければならないと
思っているのであって、
源氏の情人になる夢などは見ていないのである。
🪷🎼道すがら written by ゆうり🪷
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