google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語338 第12帖 須磨72 完】人間でない姿の者が来て「王様が召していらっしゃる」と言いながら、源氏を求めるようにしてその辺を歩きまわる夢を見た。

「こんなことに出あったことはない。

 風の吹くことはあっても、

 前から予告的に天気が悪くなるものであるが、

 こんなににわかに暴風雨になるとは」

こんなことを言いながら山荘の人々は

この天候を恐ろしがっていたが雷鳴もなおやまない。

 

雨の脚《あし》の当たる所はどんな所も

突き破られるような強雨《ごうう》が降るのである。

こうして世界が滅亡するのかと皆が心細がっている時に、

源氏は静かに経を読んでいた。

日が暮れるころから雷は少し遠ざかったが、

風は夜も吹いていた。

神仏へ人々が大願を多く立てたその力の顕《あら》われが

これであろう。

 

「もう少し暴風雨が続いたら、

 浪《なみ》に引かれて海へ行ってしまうに違いない。

 海嘯《つなみ》というものはにわかに起こって

 人死《ひとじ》にがあるものだと聞いていたが、

 今日のは雨風が原因になっていてそれとも違うようだ」

 などと人々は語っていた。

 

夜の明け方になって皆が寝てしまったころ、

源氏は少しうとうととしたかと思うと、

人間でない姿の者が来て、

「なぜ王様が召していらっしゃるのにあちらへ来ないのか」

と言いながら、

源氏を求めるようにしてその辺を歩きまわる夢を見た。

さめた時に源氏は驚きながら、

それではあの暴風雨も海の竜王《りゅうおう》が

美しい人間に心を惹《ひ》かれて

自分に見入っての仕業《しわざ》であったと気がついてみると、

恐ろしくてこの家にいることが堪えられなくなった。

 

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

 

🐲🎼 神秘的な和の夜 written by ゆうり🐲

 

🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画です。チャンネル登録お願いします🪷


 

[rakuten:f172065-kaga:10001253:detail]