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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語278 第12帖 須磨12】「貴方のことがこうなった以外のくやしいことなどは私にない」とだけ言っている夫人の様子に深い悲しみが見える。

🌼🎼 届かない声 written by K’z Art Storage🌼

西の対《たい》へ行くと、

格子《こうし》を宵のままおろさせないで、

物思いをする夫人が夜通し起きていたあとであったから、

縁側の所々に寝ていた童女などが、

この時刻にやっと皆起き出して、

夜の姿のままで往来するのも趣のあることであったが、

気の弱くなっている源氏はこんな時にも、

何年かの留守の間にはこうした人たちも

散り散りにほかへ移って行ってしまうだろうと、

そんなはずのないことまでも想像されて心細くなるのであった。

 

源氏は夫人に、左大臣家を別れに訪《たず》ねて、

夜がふけて一泊したことを言った。

「それをあなたはほかの事に疑って、

 くやしがっていませんでしたか。

 もうわずかしかない私の京の時間だけは、

 せめてあなたといっしょにいたいと

 私は望んでいるのだけれど、

 いよいよ遠くへ行くことになると、

 ここにもかしこにも行っておかねばならない家が多いのですよ。

 人間はだれがいつ死ぬかもしれませんから、

 恨めしいなどと思わせたままになっては悪いと思うのですよ」

 

「あなたのことがこうなった以外のくやしいことなどは私にない」

とだけ言っている夫人の様子にも、

他のだれよりも深い悲しみの見えるのを、

源氏はもっともであると思った。

 

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

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