室内の用具も簡単な物ばかりで、
起臥《きが》する部屋も
客の座から残らず見えるのである。
碁盤、双六《すごろく》の盤、
弾棊《たぎ》の具なども
田舎《いなか》風のそまつにできた物が置かれてあった。
数珠《じゅず》などがさっきまで
仏勤めがされていたらしく出ていた。
客の饗応《きょうおう》に出された膳部《ぜんぶ》にも
おもしろい地方色が見えた。
漁から帰った海人《あま》たちが貝などを届けに寄ったので、
源氏は客といる座敷の前へその人々を呼んでみることにした。
漁村の生活について質問をすると、
彼らは経済的に苦しい世渡りをこぼした。
小鳥のように多弁にさえずる話も
根本になっていることは処世難である、
われわれも同じことであると貴公子たちは憐んでいた。
それぞれに衣服などを与えられた海人たちは
生まれてはじめての生きがいを感じたらしかった。
🍀🎼 #君と語らえば written by #のる 🍀
【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】
朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は
後見する東宮に累が及ばないよう、
自ら須磨への退去を決意する。
左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、
東宮や女君たちには別れの文を送り、
一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。
須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、
生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、
源氏は悲しみを新たにする。
須磨の侘び住まいで、
源氏は都の人々と便りを交わしたり
絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。
つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、
また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、
一時の再会を喜び合った。
やがて三月上巳の日、
海辺で祓えを執り行った矢先に
恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、
源氏一行は皆恐怖におののいた。
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