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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語255 第十帖 賢木67】帰ることもできず、朧月夜の君の部屋にいる源氏。その時、大臣が突然 顔を出した。顔の赤い朧月夜の君を心配する大臣。

💠🎼 通り雨-Shower- written by 田中芳典💠

 雨がにわかに大降りになって、

雷鳴が急にはげしく起こってきたある夜明けに、

公子たちや太后付きの役人などが騒いで

あなたこなたと走り歩きもするし、

そのほか平生この時間に出ていない人も

その辺に出ている様子がうかがわれたし、

また女房たちも恐ろしがって帳台の近くへ寄って来ているし、

源氏は帰って行くにも行かれぬことになって、

どうすればよいかと惑った。

 

秘密に携わっている二人ほどの女房が困りきっていた。

雷鳴がやんで、雨が少し小降りになったころに、

大臣が出て来て、最初に太后の御殿のほうへ見舞いに行ったのを、

ちょうどまた雨がさっと音を立てて降り出していたので、

源氏も尚侍も気がつかなかった。

 

 大臣は軽輩がするように

突然座敷の御簾《みす》を上げて顔を出した。

「どうだね、とてもこわい晩だったから、

こちらのことを心配していたが出て来られなかった。

中将や宮の亮《すけ》は来ていたかね」

 などという様子が、早口で大臣らしい落ち着きも何もない。

 

源氏は発見されたくないということに気をつかいながらも、

この大臣を左大臣に比べて思ってみるとおかしくてならなかった。

せめて座敷の中へはいってからものを言えばよかったのである。

 

尚侍は困りながらいざり出て来たが、

顔の赤くなっているのを大臣はまだ病気が

まったく快《よ》くはなっていないのかと見た。

熱があるのであろうと心配したのである。

 

【源氏物語 第十帖 賢木 さかき】

正妻の葵の上が亡くなった。

六条御息所も晴れて源氏の正妻に迎えられるだろうと

世間は噂していた。

しかし 源氏は冷たくなり 縁が程遠くなった御息所。

彼女は 悩みながらも斎宮とともに伊勢に下ることにする。

 

いよいよ出発間近となった。  

このまま別れるのはあまりにも忍びないと、

源氏も御息所のもとを訪ねる。

顔を合わせてしまうとやはり再び思いが乱れる御息所だったが、

伊勢へと下って行った。

 

 桐壷院の病が重くなる。

死期を悟った院は朱雀帝に春宮と源氏のことを

遺言で託した後  ほどなく崩御してしまう。  時勢は、

左大臣側から朱雀帝の外戚である右大臣側に移って行った。

朱雀帝の優しい性格もあって、

政治は右大臣に権力が集中していった。

 

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