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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-06-01から1日間の記事一覧

【源氏物語223 第十帖 賢木35】恋に苦しむ源氏は、母君の桐壺の御息所の兄君の律師のいる雲林院で経を読んだり仏勤めをして過ごす。

お肩にゆらゆらとするお髪《ぐし》がきれいで、 お目つきの美しいことなど、 御成長あそばすにしたがって ただただ源氏の顔が一つまたここにできたとより思われないのである。 お歯が少し朽ちて黒ばんで見えるお口に笑みをお見せになる美しさは、 女の顔にし…

【源氏物語222 第十帖 賢木34】藤壺の宮は自分が髪が短くなり黒い着物などを着て なかなかお会いできなるなることを東宮に伝える。東宮は涙がこぼれた事を恥ずかしく思った。

この方から離れて信仰の生活にはいれるかどうかと 御自身で疑問が起こる。 しかも御所の中の空気は、 時の推移に伴う人心の変化をいちじるしく見せて 人生は無常であるとお教えしないではおかなかった。 太后の復讐心に燃えておいでになることも面倒であった…

【源氏物語221 第十帖 賢木33】藤壺の宮は、目立たぬよう御所にお入りになる。東宮は母君にお会いになり喜び甘えておいでになった。

漢の初期の戚《せき》夫人が 呂后《りょこう》に 苛《さいな》まれたようなことまではなくても、 必ず世間の嘲笑を負わねばならぬ人に 自分はなるに違いないと 中宮はお思いになるのである。 これを転機にして 尼の生活にはいるのが いちばんよいことである…

【源氏物語220 第十帖 賢木32】東宮のためには源氏が頼りではあるが、このままでは人の噂になるだろう。宮は尼になることを考える。

【源氏物語220 第十帖 賢木32】 心細くて人間的な生活を捨てないから ますます悲しみが多いのである、 自分などは僧房の人になるべきであると、 こんな決心をしようとする時に いつも思われるのは 若い夫人のことであった。 優しく自分だけを頼みにして生き…

【源氏物語219 第十帖 賢木31】源氏の恐ろしいほど真剣な恋心に戸惑う宮。源氏は御所にもいかず引きこもり 魂もどこかへ行っているようである。

「逢ふことの 難《かた》きを今日に 限らずば なほ幾世をか歎《なげ》きつつ経ん どうなってもこうなっても私はあなたにつきまとっているのですよ」 宮は吐息《といき》をおつきになって、 長き世の 恨みを人に 残してもかつは 心をあだとしらなん とお言い…

【源氏物語218 第十帖 賢木30】夜が明けても源氏は宮に訴える。宮様は半ば死んだようになっておいでになる。恐ろしいほどに源氏は真剣になっていた。

この上で力で勝つことは なすに忍びない 清い気高さの備わった方であったから、 源氏は、 「私はこれだけで満足します。 せめて今夜ほどに接近するのをお許しくだすって、 今後も時々は私の心を聞いてくださいますなら、 私はそれ以上の無礼をしようとは思い…

【源氏物語217 第十帖 賢木29】源氏は藤壺の宮の御髪とお召し物を手にとらえた。宮は迫る源氏を強く避けておいでになる。

驚きと恐れに 宮は前へひれ伏しておしまいになったのである。 せめて見返ってもいただけないのかと、 源氏は飽き足らずも思い、 恨めしくも思って、 お裾《すそ》を手に持って引き寄せようとした。 宮は上着を源氏の手にとめて、 御自身は外のほうへお退《の…

【源氏物語216 第十帖 賢木28】源氏は静かに宮の御帳台へ伝っていき 宮のお召し物のつま先を手でひいた。宮は源氏の君だとお悟りになった。

これだけでも召し上がるようにと思って、 女房たちが持って来たお菓子の台がある、 そのほかにも 箱の蓋などに感じよく調理された物が積まれてあるが、 宮はそれらにお気がないようなふうで、 物思いの多い様子をして 静かに一所をながめておいでになるのが…

【源氏物語215 第十帖 賢木27】源氏はこっそり塗籠から抜け出し屏風と壁の間を伝って藤壺の宮の側に来た。宮のお姿を見て涙を流す源氏。

宮は昼の御座へ出てすわっておいでになった。 御|恢復《かいふく》になったものらしいと言って、 兵部卿の宮もお帰りになり、 お居間の人数が少なくなった。 平生からごく親しくお使いになる人は多くなかったので、 そうした人たちだけが、 そこここの几帳…