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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語246 第十帖 賢木58】宮と源氏の座は近い。取次の女房への宮のお声もほのかに聞こえる。源氏の涙がほろほろとこぼれた。

🌸🎼 雨音落ちる日(A day,hear the sound of rain)🌸  
  written by 蒲鉾さちこ

解けてきた池の薄氷にも、

芽をだしそめた柳にも自然の春だけが見えて、

いろいろに源氏の心をいたましくした。

「音に聞く 松が浦島《うらしま》 今日ぞ見る

 うべ心ある海人《あま》は住みけり」

という古歌を口ずさんでいる源氏の様子が美しかった。

 ながめかる 海人の住処《すみか》と 見るからに 

 まづしほたるる 松が浦島

と源氏は言った。

 

今はお座敷の大部分を仏に譲っておいでになって、

お居間は

端のほうへ変えられたお住居《すまい》であったから、

宮の御座と源氏自身の座の近さが覚えられて、

 ありし世の 名残《なご》りだになき 浦島に

 立ちよる波の めづらしきかな

と取り次ぎの女房へお教えになるお声も

ほのかに聞こえるのであった。

源氏の涙がほろほろとこぼれた。

今では人生を悟りきった尼になっている女房たちに

これを見られるのが恥ずかしくて、

長くはいずに 源氏は退出した。

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