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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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元気イキイキhappyアラフィフ源典侍🌷【源氏物語139 第九帖 葵12】祭りの日、源氏は 源典侍に車の場所を譲ってもらう🚘


今日も町には隙間《すきま》なく車が出ていた。

馬場殿あたりで祭りの行列を見ようとするのであったが、

都合のよい場所がない。

「大官連がこの辺にはたくさん来ていて面倒な所だ」

源氏は言って、

車をやるのでなく、停《と》めるのでもなく、

躊躇《ちゅうちょ》している時に、

よい女車で人がいっぱいに乗りこぼれたのから、

扇を出して源氏の供を呼ぶ者があった。

「ここへおいでになりませんか。

 こちらの場所をお譲りしてもよろしいのですよ」

という挨拶である。

どこの風流女のすることであろうと思いながら、

そこは実際よい場所でもあったから、

その車に並べて源氏は車を据《す》えさせた。

 

「どうしてこんなよい場所をお取りになったかと

 うらやましく思いました」

と言うと、

品のよい扇の端を折って、それに書いてよこした。

 はかなしや 人のかざせる あふひ故《ゆゑ》

 神のしるしの 今日を待ちける

注連《しめ》を張っておいでになるのですもの。

 

源典侍《げんてんじ》の字であることを

源氏は思い出したのである。

どこまで若返りたいのであろうと醜く思った源氏は皮肉に、

 かざしける 心ぞ仇《あだ》に思ほゆる

 八十氏《やそうぢ》人に なべてあふひを

 と書いてやると、

恥ずかしく思った女からまた歌が来た。

 くやしくも 挿《かざ》しけるかな 名のみして

 人だのめなる 草葉ばかりを

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