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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語285 第12帖 須磨19】源氏はいよいよ旅の用意をした。家のことは紫の上にたくし、少納言の乳母を上に家司達に管理上の事務を取らせることにした。

💠🎼夕暮れ written by キュス💠

源氏はいよいよ旅の用意にかかった。

源氏に誠意を持って仕えて、

現在の権勢に媚びることを思わない人たちを選んで、

家司として留守中の事務を扱う者をまず上から下まで定めた。

随行するのは特にまたその中から選ばれた至誠の士である。

隠栖《いんせい》の用に持って行くのは日々必要な物だけで、

それも飾りけのない質素な物を選んだ。

それから書籍類、詩集などを入れた箱、

そのほかには琴を一つだけ携えて行くことにした。

たくさんにある手道具や華奢な工芸品は少しも持って行かない。

平民の質素な隠栖者になろうとするのである。

源氏は今まで召し使っていた男女をはじめ、

家のこと全部を西の対へ任せることにした。

私領の荘園、牧場、そのほか所有権のあるものの証券も

皆夫人の手もとへ置いて行くのであった。

なおそのほかに物資の蓄蔵されてある幾つの倉庫、

納殿《おさめどの》などのことも、

信用する少納言の乳母《めのと》を上にして

何人かの家司をそれにつけて、

夫人の物としてある財産の管理上の事務を

取らせることに計らったのである。

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

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