東の院が美々しく落成したので、
花散里《はなちるさと》といわれていた夫人を源氏は移らせた。
西の対から渡殿《わたどの》へかけてをその居所に取って、
事務の扱い所、家司《けいし》の詰め所なども備わった、
源氏の夫人の一人としての体面を
損じないような住居《すまい》にしてあった。
東の対には明石の人を置こうと源氏はかねてから思っていた。
北の対をばことに広く立てて、
かりにも源氏が愛人と見て、
将来のことまでも約束してある人たちのすべてを
そこへ集めて住ませようという考えをもっていた源氏は、
そこを幾つにも仕切って作らせた点で
北の対は最もおもしろい建物になった。
中央の寝殿《しんでん》はだれの住居《すまい》にも使わせずに、
時々源氏が来て休息をしたり、
客を招いたりする座敷にしておいた。
🪷君と語らえば written by のる🪷
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