浜の館《やかた》は派手に作り、
これは幽邃《ゆうすい》であることを主にしてあった。
若い女のいる所としてはきわめて寂しい。
こんな所にいては人生のことが
皆身にしむことに思えるであろうと源氏は恋人に同情した。
三昧堂《さんまいどう》が近くて、
そこで鳴らす鐘の音が松風に響き合って悲しい。
岩にはえた松の形が皆よかった。
植え込みの中にはあらゆる秋の虫が集まって鳴いているのである。
源氏は邸内をしばらくあちらこちらと歩いてみた。
娘の住居《すまい》になっている建物はことによく作られてあった。
🍂🎼秋の足音 written by のる🍂
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