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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語515 第15帖 蓬生15】大弐の夫人は末摘花を思い上がっているとみている。侍従も大弐の甥との結婚で、自分の意思でなく九州行きに同行することになっていた。


大弐の夫人は、私の言ったとおりじゃないか。

どうしてあんな見る影もない人を

源氏の君が奥様の一人だとお思いになるものかね、

仏様だって罪の軽い者ほどよく導いてくださるのだ。

手もつけられないほどの貧乏女でいて、

いばっていて、

宮様や奥さんのいらっしゃった時と同じように

思い上がっているのだから始末が悪いなどと思って

いっそう軽蔑《けいべつ》的に末摘花を見た。

「ぜひ決心をして九州へおいでなさい。

 世の中が悲しくなる時には、

 人は進んでも旅へ出るではありませんか。

 田舎とはいやな所のようにお思いになるかしりませんが、

 私は受け合ってあなたを楽しくさせます」

口前よく熱心に同行を促すと、

貧乏に飽いた女房などは、

「そうなればいいのに、何のたのむ所もない方が、

 どうしてまた意地をお張りになるのだろう」

と言って、末摘花を批難した。

侍従も大弐の甥《おい》のような男の愛人になっていて、

京へ残ることもできない立場から、

その意志でもなく女王のもとを去って九州行きをすることになっていた。

🍃🎼届かない声 written by K’z Art Storage🍃

 

🌷第15帖 蓬生(よもぎう)のあらすじはこちら↓

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