なお生きた人が住んでいるという悲しい邸《やしき》である。
盗人というようながむしゃらな連中も
外見の貧弱さに愛想《あいそ》をつかせて、
ここだけは素通りにしてやって来なかったから、
こんな野良藪《のらやぶ》のような邸の中で、
寝殿《しんでん》だけは昔通りの飾りつけがしてあった。
しかしきれいに掃除《そうじ》をしようとするような心がけの人もない。
埃《ちり》は積もってもあるべき物の数だけはそろった座敷に
末摘花《すえつむはな》は暮らしていた。
🍂🎼止まない雨を見ていた written by キュス
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