六条邸は日がたつにしたがって寂しくなり、
心細さがふえてくる上に、
御息所《みやすどころ》の女房なども
次第に下がって行く者が多くなって、
京もずっと下《しも》の六条で、
東に寄った京極通りに近いのであるから、
郊外ほどの寂しさがあって、
山寺の夕べの鐘の音にも斎宮の御涙は誘われがちであった。
🪻🎼花影 written by Fukagawa🪻
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