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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語620 第20帖 朝顔2】女五の宮と朝顔の姫君は同じ御殿に住んでおいでになる。源氏が訪ねると とてもお喜びになった。

同じ御殿の西と東に分かれて、

老内親王と若い前斎院とは住んでおいでになった。

式部卿《しきぶきょう》の宮がお薨《かく》れになって

何ほどの時がたっているのでもないが、

もう宮のうちには荒れた色が漂っていて、

しんみりとした空気があった。

女五の宮が御対面あそばして源氏にいろいろなお話があった。

老女らしい御様子で咳が多くお言葉に混じるのである。

姉君ではあるが太政大臣の未亡人の宮はもっと若く、

美しいところを今もお持ちになるが、

これはまったく老人らしくて、

女性に遠い気のするほど

こちこちしたものごしでおありになるのも不思議である。

「院の陛下がお崩《かく》れになってからは、

 心細いものに私はなって、

 年のせいからも泣かれる日が多いところへ、

 またこの宮が私を置いて行っておしまいになったので、

 もうあるかないかに生きているにすぎない私を

 訪ねてくだすったことで、

 私は不幸だと思ったことももう忘れてしまいそうですよ」

と宮はお言いになった。

🌸🎼#transparent grave written by #のる

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