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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語587 第19帖 薄雲18】源氏は、明石の上の山荘でくつろいで過ごしている。明石の上は、飽かれぬために 地理的に不便で、特に思い立って来なければならぬ所にいるのが自分の強味と思っている。

源氏は姫君の様子をくわしく語っていた。

大井の山荘も源氏にとっては愛人の家にすぎないのであるが、

こんなふうにして泊まり込んでいる時もあるので、

ちょっとした菓子、強飯《こわいい》というふうな物くらいを

食べることもあった。

自家の御堂《みどう》とか、

桂《かつら》の院とかへ行って定まった食事はして、

貴人の体面はくずさないが、

そうかといって

並み並みの妾《しょう》の家らしくはして見せず、

ある点までは

この家と同化した生活をするような寛大さを示しているのは、

明石に持つ愛情の深さがしからしめるのである。

明石も源氏のその気持ちを尊重して、

出すぎたと思われることはせず、

卑下もしすぎないのが、

源氏には感じよく思われた。

相当に身分のよい愛人の家でも

これほど源氏が打ち解けて暮らすことはないという話も

明石は知っていたから。

近い東の院などへ移って行っては

源氏に珍しがられることもなくなり、

飽かれた女になる時期を早くするようなものである、

地理的に不便で、

特に思い立って来なければならぬ所にいるのが

自分の強味であると思っているのである。

🪻青空を恋う written by のる

 

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