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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語583 第19帖 薄雲 14】源氏は、花散里の姫君の性格がきわめて善良で、無邪気で、自分にはこれだけの運よりないのであるとあきらめることを知っていた。源氏にとって心安らぐ女人である。

東の院の対《たい》の夫人も品位の添った暮らしをしていた。

女房や童女の服装などにも洗練されたよい趣味を見せていた。

明石の君の山荘に比べて近いことは

花散里《はなちるさと》の強味になって、

源氏は閑暇《ひま》な時を見計らってよくここへ来ていた。

夜をこちらで泊まっていくようなことはない。

性格がきわめて善良で、無邪気で、

自分にはこれだけの運よりないのであると

あきらめることを知っていた。

源氏にとってはこの人ほど気安く思われる夫人はなかった。

何かの場合にも

紫夫人とたいした差別のない扱い方を源氏はするのであったから、

軽蔑《けいべつ》する者もなく、

その方へも敬意を表しに行く人が絶えない。

別当も家職も忠実に事務を取っていて

整然とした一家をなしていた。

🌿🎼立夏 written by 落葉 剛

 

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