入道の身分に近いほどの家の女《むすめ》も
ここに来て女房勤めをしているようなのが幾人かはあるが、
それがどうかといえば
京の宮仕えに磨《す》り尽くされたような年配の者が
生活の苦から脱《のが》れるために田舎下りをしたのが多いのに、
この乳母はまだ娘らしくて、
しかも思い上がった心を持っていて、
自身の見た京を語り、宮廷を語り、
縉紳《しんしん》の家の内部の派手な様子を
語って聞かせることができた。
源氏の大臣が
どれほど社会から重んぜられているかということも、
女心にしたいだけの誇張もして始終話した。
乳母の話から、
その人が別れたのちの今日までも好意を寄せて、
また自分の生んだ子を愛してくれているのは
幸福でなくて何であろうと明石の君は
ようやくこのごろになって思うようになった。
🌸青空と君と(Blue sky and You)by蒲鉾さちこ🌸
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