「私はやはり源氏の君が犯した罪もないのに、
官位を剥奪《はくだつ》されているようなことは、
われわれの上に報いてくることだろうと思います。
どうしても本官に復させてやらねばなりません」
このことをたびたび帝は太后へ仰せになるのであった。
「それは世間の非難を招くことですよ。
罪を恐れて都を出て行った人を、
三年もたたないでお許しになっては
天下の識者が何と言うでしょう」
などとお言いになって、
太后はあくまでも源氏の復職に
賛成をあそばさないままで月日がたち、
帝と太后の御病気は
依然としておよろしくないのであった。
🪷🎼零れる涙 written by ゆうり🪷
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