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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

恋は人を若くする‥源典侍【源氏物語109 第七帖 紅葉賀11】源氏は還暦前ではあるが 才女で良い家の出の源典侍と恋人関係になった。美貌を讃えられた女人だが、多情な性質は困りもの

御所にまで二条の院の新婦の問題が聞こえていった。

「気の毒じゃないか。左大臣が心配しているそうだ。

 小さいおまえを婿にしてくれて、

 十二分に尽くした今日までの好意がわからない年でもないのに、

 なぜその娘を冷淡に扱うのだ」

と陛下がおっしゃっても、

源氏はただ恐縮したふうを見せているだけで、

何とも御返答をしなかった。

帝は妻が気に入らないのであろうと かわいそうに思召した。

「格別おまえは放縦な男ではなし、

女官や女御たちの女房を情人にしている噂《うわさ》などもないのに、

 どうしてそんな隠し事をして

 舅《しゅうと》や妻に恨まれる結果を作るのだろう」  

と仰せられた。

 

帝はもうよい御年配であったが美女がお好きであった。

采女《うねめ》や女蔵人《にょくろうど》なども

容色のある者が宮廷に歓迎される時代であった。

したがって美人も宮廷には多かったが、

そんな人たちは源氏さえその気になれば

情人関係を成り立たせることが容易であったであろうが、

源氏は見馴《な》れているせいか女官たちへは

その意味の好意を見せることは皆無であったから、

怪しがってわざわざその人たちが

戯談《じょうだん》を 言いかけることがあっても、

源氏はただ冷淡でない程度にあしらっていて、

それ以上の交際をしようとしないのを物足らず思う者さえあった。

 

よほど年のいった典侍《ないしのすけ》で、

いい家の出でもあり、才女でもあって、

世間からは相当にえらく思われていながら、

多情な性質であって その点では

人を顰蹙《ひんしゅく》させている女があった。

源氏はなぜこう年がいっても

浮気がやめられないのであろうと不思議な気がして、

恋の戯談を言いかけてみると、不似合いにも思わず相手になってきた。

あさましく思いながらも、

さすがに風変わりな衝動を受けてつい源氏は関係を作ってしまった。

噂されてもきまりの悪い不つりあいな老いた情人であったから、

源氏は人に知らせまいとして、ことさら表面は冷淡にしているのを、

女は常に恨んでいた。

 

典侍は帝のお髪上《ぐしあ》の役を勤めて、

それが終わったので、

帝はお召かえを奉仕する人をお呼びになって出てお行きになった部屋には、

ほかの者がいないで、

典侍が常よりも美しい感じの受け取れるふうで、

頭の形などに艶《えん》な所も見え、

服装も派手《はで》にきれいな物を着ているのを見て、

いつまでも若作りをするものだと源氏は思いながらも、

どう思っているだろうと知りたい心も動いて、

後ろから裳《も》の裾《すそ》を引いてみた。

 

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💠源氏物語 第七帖 紅葉賀💠(後半) 

前半とは趣を変えて、喜劇的な箸休めの小話が語られる。

桐壺帝に仕える年配の女官で血筋、人柄の申し分ない源典侍には、

希代の色好みという評判があった。

好奇心旺盛な源氏と頭中将は冗談半分で彼女に声をかけていたが、

年をわきまえずあからさまな媚態を振りまく彼女に辟易としている。

源典侍のもとに泊まった夜、

源氏は何者かの襲撃を受け太刀をとって応戦するが、

掴み掛かってみると相手は頭中将であった。

 

わざと修羅場を演じて源典侍を仰天させた二人は、

調子に乗って掴み合いをするうちにぼろぼろになってしまう。

大笑いしながら帰った翌日、

職場で顔を合わせた二人は昨日の騒動を思い出して、

互いにそ知らぬ顔で笑いをかみ殺すのだった。

 

その年の秋、藤壺は中宮に立后。一番早くに入内し、

長年仕えていて今東宮の生母である弘徽殿女御は、

「長年仕える自分を差し置いて、なぜ藤壺が中宮に」と激怒。

桐壺帝に窘められる。源氏も宰相(参議)に進むが、

ますます手の届かなくなった藤壺への思慕はやむことがなかった。

 

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