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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語735 第22帖 玉鬘35】「‥姫君にかしづいて、 貴公子たちの懸想ぶりを たんと拝見しよう」と源氏が言うと、「変な親心ね。求婚者の競争をあおるなどとはひどい方」と紫の上は言う。

「野蛮な地方に長くいたのだから、

 気の毒なものに仕上げられているだろうと私は軽蔑していたが、

 こちらがかえって恥ずかしくなるほどでしたよ。

 娘にこうした麗人を持っているということを

 世間へ知らせるようにして、

 よくおいでになる兵部卿《ひょうぶきょう》の宮などに

 懊悩《おうのう》をおさせするのだね。

 恋愛至上主義者も私の家《うち》では

 きまじめな方面しか見せないのも妙齢の娘などがないからなのだ。

 たいそうにかしずいてみせよう、

 まだ成っていない貴公子たちの懸想《けそう》ぶりを

 たんと拝見しよう」

 と源氏が言うと、

「変な親心ね。求婚者の競争をあおるなどとはひどい方」

 と女王《にょおう》は言う。

「そうだった、

 あなたを今のような私の心だったらそう取り扱うのだった。

 無分別に妻などにはしないで、娘にしておくのだった」

 夫人の顔を赤らめたのがいかにも若々しく見えた。

源氏は硯《すずり》を手もとへ引き寄せながら、

無駄《むだ》書きのように書いていた。

 

『恋ひわたる身はそれながら玉鬘《たまかづら》いかなる筋を尋ね来つらん』

「かわいそうに」

 とも独言《ひとりごと》しているのを見て、

玉鬘の母であった人は、前に源氏の言ったとおりに、

深く愛していた人らしいと女王は思った。

🌷🎼#Wind of Travelers written by #のる 

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