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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語734 第22帖 玉鬘34】「‥ 遠い国へ流れ着きました頃から、 私は生きておりましたことか、 死んでおりましたことかわからないのです」とほのかに言うのが夕顔の声そのままの語音であった。

年を数えてみて、

「親子であってこんなに長く逢えなかったというようなことは

 例もないでしょう。恨めしい運命でしたね。

 もうあなたは少女のように

 恥ずかしがってばかりいてよい年でもないのですから、

 今日までの話も私はしたいのに、

 なぜあなたは黙ってばかりいますか」

 と源氏が恨みを言うのを聞くと、

何と言ってよいかわからぬほど姫君は恥ずかしいのであったが、

「足立たずで

 (かぞいろはいかに哀れと思ふらん三とせになりぬ足立たずして)

 遠い国へ流れ着きましたころから、

 私は生きておりましたことか、

 死んでおりましたことかわからないのでございます」

とほのかに言うのが夕顔の声そのままの語音《ごいん》であった。

源氏は微笑を見せながら、

「あなたに人生の苦しい道をばかり通らせて来た酬《むく》いは

 私がしないでだれにしてもらえますか」

 と言って、

 源氏は聡明《そうめい》らしい姫君の物の言いぶりに満足しながら、

 右近にいろいろな注意を与えて源氏は帰った。

 感じのよい女性であったことをうれしく思って、

源氏は夫人にもそのことを言った。

🌷🎼#transparent grave written by #のる 

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