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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語736 第22帖 玉鬘36】何事も豊後介の至誠の賜物であることを玉鬘も認めていたし、右近もそう言って豊後介をほめ、玉鬘付きの家従や執事が決められた時に豊後介もその一人に登用された。

 源氏は子息の中将にも、こうこうした娘を呼び寄せたから、

気をつけて交際するがよいと言ったので、

中将はすぐに玉鬘の御殿へ訪ねて行った。

「つまらない人間ですが、

 こんな弟がおりますことを御念頭にお置きくださいまして、

 御用があればまず私をお呼びになってください。

 こちらへお移りになりました時も、

 存じないものでお世話をいたしませんでした」

 と忠実なふうに言うのを聞いていて、

真実のことを知っている者はきまり悪い気がするほどであった。

物質的にも一所懸命の奉仕をしていた九州時代の姫君の住居も

現在の六条院の華麗な設備に思い比べてみると、

それは田舎らしいたまらないものであったように

おとどなどは思われた。

すべてが洗練された趣味で飾られた気高い家にいて、

親兄弟である親しい人たちは風采《ふうさい》を始めとして、

目もくらむほどりっぱな人たちなので、

こうなってはじめて三条も

大弐を軽蔑《けいべつ》してよい気になった。

まして大夫《たゆう》の監《げん》は

思い出すだけでさえ身ぶるいがされた。

何事も豊後介《ぶんごのすけ》の

至誠の賜物《たまもの》であることを玉鬘も認めていたし、

右近もそう言って豊後介を賞《ほ》めた。

確《しか》とした規律のある生活をするのには

それが必要であると言って、

玉鬘付きの家従や執事が決められた時に

豊後介もその一人に登用された。

すっかり田舎上がりの失職者になっていた豊後介は

にわかに朗らかな身の上になった。

かりにも出入りする便宜などを持たなかった六条院に

朝夕出仕して、

多数の侍を従えて執務することのできるようになったことを

豊後介は思いがけぬ大幸福を得たと思っていた。

これらもすべて

源氏が思いやり深さから起こったことと言わねばならない。

🌷🎼#タイム・ミュゼアム written by #のる 

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