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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語642 第20帖 朝顔24】美しい月の夜。源氏は御簾をあげ 童女を庭へおろして雪まろげをさせた。童女たちが、子どもらしく走り回ったり、雪玉を作ったりする。

雪のたくさん積もった上になお雪が降っていて、

松と竹がおもしろく変わった個性を見せている夕暮れ時で、

人の美貌《びぼう》もことさら光るように思われた。

「春がよくなったり、秋がよくなったり、

 始終人の好みの変わる中で、

 私は冬の澄んだ月が雪の上にさした無色の風景が

 身に沁《し》んで好きに思われる。

 そんな時にはこの世界のほかの大世界までが想像されて

 これが人間の感じる極致の境だという気もするのに、

 すさまじいものに冬の月を言ったりする人の浅薄さが思われる」

源氏はこんなことを言いながら御簾《みす》を巻き上げさせた。

 

月光が明るく地に落ちてすべての世界が白く見える中に、

植え込みの灌木類の押しつけられた形だけが哀れに見え、

流れの音も咽《むせ》び声になっている。

池の氷のきらきら光るのもすごかった。

 

源氏は童女を庭へおろして雪まろげをさせた。

美しい姿、頭つきなどが月の光にいっそうよく見えて、

やや大きな童女たちが、いろいろな袙《あこめ》を着て、

上着は脱いだ結び帯の略装で、もうずっと長くなっていて、

裾のひろがった髪は雪の上で鮮明にきれいに見られるのであった。

小さい童女は子供らしく喜んで走りまわるうちには

扇を落としてしまったりしている。

ますます大きくしようとしても、

もう童女たちの力では雪の球《たま》が動かされなくなっている。

童女の半分は東の妻戸の外に集まって、

自身たちの出て行けないのを残念がりながら、

庭の連中のすることを見て笑っていた。

❄️🎼雪去り、里に春は来たる written byのる

 

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