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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-05-31から1日間の記事一覧

【源氏物語214 第十帖 賢木26】藤壺の宮の具合が悪くなった。朝になっても御寝室に止まった源氏は、塗籠の中へ押し入れられてしまった。

命婦《みょうぶ》とか弁《べん》とか 秘密にあずかっている女房が驚いていろいろな世話をする。 源氏は宮が恨めしくてならない上に、 この世が真暗《まっくら》になった気になって 呆然として朝になってもそのまま御寝室にとどまっていた。 御病気を聞き伝え…

【源氏物語213 第十帖 賢木25】源氏は藤壺の宮への情炎を抑えきれない。宮は仏力で止めようと祈祷までなさる。ついには源氏は宮の寝所に近づいた。

御所へ参内することも気の進まない源氏であったが、 そのために東宮にお目にかからないことを寂しく思っていた。 東宮のためにはほかの後援者がなく、 ただ源氏だけを中宮も力にしておいでになったが、 今になっても源氏は宮を御当惑させるようなことを時々…

【源氏物語212 第十帖 賢木24】尚侍との逢瀬‥暁月夜、一面の霧の中歩いている姿を承香の女御の兄に目撃されてしまった源氏

心から かたがた袖《そで》を 濡《ぬ》らすかな 明くと教ふる 声につけても 尚侍のこう言う様子はいかにもはかなそうであった。 歎《なげ》きつつ 我が世はかくて 過ぐせとや 胸のあくべき 時ぞともなく 落ち着いておられなくて源氏は別れて出た。 まだ朝に…

【源氏物語211 賢木23 】源氏は朧月夜の尚侍と会う。夜明け 宿直の近衛の下士が御所のあちこちで「虎一つ」と報じて歩いている。

源氏は夢のように尚侍へ近づいた。 昔の弘徽殿の細殿《ほそどの》の小室へ 中納言の君が導いたのである。 御修法のために御所へ出入りする人の多い時に、 こうした会合が、 自分の手で行なわれることを中納言の君は恐ろしく思った。 朝夕に見て見飽かぬ源氏…

【源氏物語210 第十帖 賢木22】加茂の斎院は、式部卿の宮の朝顔の姫君に決まった。朝顔の宮に恋をしていた源氏は残念に思った。

加茂の斎院は父帝の喪のために引退されたのであって、 そのかわりに式部卿《しきぶきょう》の宮の朝顔の姫君が 職をお継ぎになることになった。 伊勢へ女王が斎宮になって行かれたことはあっても、 加茂の斎院はたいてい内親王の方がお勤めになるものであっ…

【源氏物語209 第十帖 賢木21】源氏は紫の上と穏やかに暮らしている。父の兵部卿の宮も二条の院に出入りしておいでになる。

このごろは通っていた恋人たちとも双方の事情から 関係が絶えてしまったのも多かったし、 それ以下の軽い関係の恋人たちの家を訪ねて行くようなことにも、 もうきまりの悪さを感じる源氏であったから、 余裕ができてはじめてのどかな家庭の主人《あるじ》に…

【源氏物語208 第十帖 賢木20】弘徽殿の大后の力が増し、源氏も左大臣も不快さを味わうことが多くなった。源氏は夕霧を可愛がる。

院がおいでになったころは御遠慮があったであろうが、 積年の怨みを源氏に酬《むく》いるのはこれからであると 烈《はげ》しい気質の太后は思っておいでになった。 源氏に対して何かの場合に意を得ないことを政府がする、 それが次第に多くなっていくのを見…

【源氏物語207 第十帖 賢木19】右大臣家の六の君は後宮に入る。いまだに源氏を想い、源氏は、忍んで手紙を送ってくることも絶えなかった。

右大臣家の六の君は 二月に尚侍《ないしのかみ》になった。 院の崩御によって 前《さきの》尚侍が尼になったからである。 大臣家が全力をあげて後援していることであったし、 自身に備わった美貌《びぼう》も美質もあって、 後宮の中に抜け出た存在を示して…

【源氏物語206 第十帖 賢木18】桐壺院が亡くなって右大臣の力が強くなり、宿直をしにくる人達の夜具もあまり見かけなくなった。

中宮の供奉《ぐぶ》を多数の高官がしたことなどは 院の御在世時代と少しも変わっていなかったが、 宮のお心持ちは寂しくて、 お帰りになった御実家が かえって他家であるように思召されることによっても、 近年はお許しがなくて 御実家住まいがほとんどなか…